論証の中の概念のすり替えを見つける
同じ言葉が、2 つの文で同じ意味ではない
次の論証です:[論証原文]。この中の概念のすり替えを見つけてください。要件:1)繰り返し出てくるキーワードを挙げ、文ごとの実際の意味を書き出す;2)どこで意味 A から意味 B に滑ったかを、2 つの文を並べて引用して示す;3)その滑りによって、どの結論が成り立つように見えるかを説明する;4)概念を 1 つの意味に固定して、論証を書き直す;5)書き直しても成立するか、しないなら欠けている段はどこか。文章の巧拙は評価しないこと。
使い方
まず一番重要な言葉を自分で囲んでください。次に、どの文で静かに意味が変わったかを見ます。多くは最も目立たない文です。
向いている場面
- 相手の論証がとても滑らかで、どの文も筋が通って見えるのに、どこがおかしいのか言葉にできず、すり抜けられた感覚だけが残るとき。
- 拍手を取った主張に会議の場で反論する必要があり、特定の 1 文を指す質問が 1 つ欲しいとき。
向いていない場面
- 対立が事実にあり、双方が同じ言葉を同じ意味で使い、数字だけが違うとき。用語ではなく数字を確認してください。
- 論証そのものが粗く、穴だらけのとき。すり替えを 1 つずつ追うより、最短の反証ルートを使うほうが速いです。
例
入力
「当社はすでに業界最高のユーザー体験を実現しているので、高価格帯で値付けすべきです。NPS は 62 で、競合の 48 を上回っています」
得られるもの
すり替えは「ユーザー体験」にあります。前半の「最高」は NPS の点数を指すのに対し、後半の「高価格帯」が必要とするのは支払意思で、NPS が高いのは推薦したい人が多いというだけで、多く払う意思があることではありません。概念を「NPS が最高」に固定すると、この論証から価格の結論は出てきません。欠けている段は、62 のユーザーのうち何割が 30% 値上げ後も更新するかで、その数字が出るまで高価格帯の根拠はありません。
よくある誤用
- 粗探しの道具にしてしまうこと。どんな論証にも用語の揺れはあるので、あらゆる提案が「概念のすり替えです」で止まり、何も進みません。
- 原文を貼らず結論だけを渡すこと。モデルは語義を推測するしかなく、見つけたすり替えは多くの場合、自分が書いていない文の中にあります。
こう変えると効く
- 「すり替えを探す」を「定義されていないキーワードを全部挙げる」に変える。定義を埋めてから当否を論じます。
- 末尾に「1 文だけ直せるならどこを直せば論証が成立するか」を足す。分解から補修に変わります。