相関か、因果か
二つが一緒に動いても、片方が他方を動かしたとは限らない
私は [A] が [B] を引き起こすと考えています。根拠は:[観測された相関またはデータ]。この因果判断を反証してください:1)A と B の両方を説明できる第三の変数を少なくとも 3 つ;2)逆の因果、つまり B が A を引き起こす経路の可能性;3)この相関が消える条件;4)因果と相関を区別できる検証方法と、必要なデータ;5)今あるデータだけで言えるのはどこまでか。私の判断を先に肯定しないこと。
使い方
まず第三変数を読み、自分の説明に同じ穴がないか見直す。
向いている場面
- できすぎるほどきれいな相関(2 本の曲線がほぼ重なる)を手にしていて、これから資金や戦略を動かそうとしているとき。
- 観察データは直感を支持しているのに、機序を言葉にできないとき。「なぜ」が説明できないなら、たいてい第 3 の変数が働いています。
向いていない場面
- すでにランダム化比較試験を行い、介入群と対照群がはっきりしているとき。ここで「単なる相関かもしれない」を論じるのは時間の無駄で、議論すべきは効果量と外部妥当性です。
- 本当に知りたいのが「この方向は試す価値があるか」で、「この因果が成り立つか」ではないとき。反証を求めると足止めされ、小さな実験のほうが早く答えを出します。
例
入力
「チーム版」機能を使っている顧客の継続率は 92%、使っていない顧客は 71%。だから全顧客にチーム版を使わせるべきだと考えています。
得られるもの
ほしいのは第 3 の変数を最低 3 つ。大企業はそもそもチーム版を買い、そもそも解約しにくい。営業は更新直前にチーム版を勧めがち。さらに逆の経路——更新を決めている顧客こそ時間をかけて設定する——の指摘。最後に、両者を分ける検証まで。更新間近の中小顧客をランダムに招待してチーム版を有効化し、90 日継続率を比べる。
よくある誤用
- 「自分の因果は正しい」と証明するために使うこと。反例だけを求め、「このデータでは区別できない」という結論を受け入れず、もっともらしい機序を絞り出すまで繰り返す。
- 相関データだけ渡して因果の結論を要求し、出てきた「証明できない」を責めること。データに因果が入っていないのだから、因果は出せません。
こう変えると効く
- 「この因果判断を反証して」を「反証できる最小の実験を設計して」に変える。討論から、実行できる検証へ移ります。
- 「今賭けるならこの因果を何割で信じるか」を足す。二択の判断が、較正できる信頼度になります。