前提を分解する
結論に書かれていない前提を洗い出す
以下は私の推論です:[推論過程]。次を行ってください:1)この推論に含まれる暗黙の前提(明言されていないが成立していなければならない前提)をすべて列挙;2)最も脆い前提を指摘;3)その前提が成立しない場合、結論はどう変わるか;4)より確信を持つために必要な情報は何か。
使い方
各前提がどの文から来たかを引用させる。特定できない前提は、たいてい AI の創作。
向いている場面
- 推論がするすると書けていて、どの段階も「当然成り立つ」と感じるとき。滑らかな推論ほど、最も脆い前提が接続部分に隠れています。
- この推論で人を説得したり予算を取ったりする前に、自己点検したいとき。どの前提が崩れると全体が倒れるのかを、先に知っておく場面。
向いていない場面
- 推論が依拠している事実がまだ未確認のとき(出所が不明、集計定義が曖昧)。前提を分解すると整って見えますが、構造全体が誤った事実の上に載ります。
- ざっくりした数字が欲しいだけ、その場限りの判断をしたいだけのとき。前提を分解するコストが、その判断そのものより高くつきます。
例
入力
カスタマーサポートを 12 人から 6 人に減らせると判断しています。AI 対応を入れてから人的チケット数が 55% 減り、残りの人数で足りるはずです。
得られるもの
言われていない 2 つの前提を名指ししてほしいのです。「55% 減ったあと件数は新しい水準で安定する」と「残る 6 人が扱うのは同じ種類のチケットである」。そのうえで脆いほう(複雑な苦情は先送りされただけで、解約と低評価は 2 か月後に戻ってくる)に印を付ける。最後に、何のデータがあれば確定するか——総量ではなく、チケット種別ごとの処理時間——まで。
よくある誤用
- 「暗黙の前提を挙げて」を「失敗しうる点を全部挙げて」にしてしまうこと。漠然としたリスクが 15 条並び、一番脆い 1 条が埋もれます。
- 前提を出したところで終わり、推論を書き直さないこと。一覧は立派でも、結論は一文字も変わっていません。
こう変えると効く
- 「これが成り立たないと結論が反転するか」で並べ替えて、と足す。一覧が注意事項から分岐点へ変わります。
- 「私の推論」を「私の推論+いちばん聞かれたくない 1 つの問い」に変える。その問いはたいてい、最も脆い前提を正面から突いています。