概念の比較
定義を並べるのではなく、境界がどこかを示す
[概念 A] と [概念 B] を比較してください。要件:1)それぞれ一文で何かを示す;2)重要な差異 3 つ(軸は自分で選び、なぜ重要かを説明);3)「A に見えて実は B」の例を 1 つ;4)この区別がまったく重要でないのはどんな場合か。
使い方
「A に見えて B」の例が、境界を掴めているかを最短で確かめる方法になる。
向いている場面
- 同僚が二つの用語を混ぜて使っていて(レイテンシと応答時間)、議論がかみ合わなくなってきたとき
- 二つのツールや手法のどちらかを選ぶ必要があるが、ネット上の定義が食い違い、境界がはっきりしないとき
向いていない場面
- 二つの語が同じものの別名であるとき(フロントエンドルーティングとクライアントサイドルーティング)。無理に比べると存在しない違いを生む
- 本当に必要なのが「どちらを選ぶか」の判断で、比較は境界しか返さず、トレードオフを決めてくれないとき
例
入力
適合率(precision)と再現率(recall)、がん検診を背景に。
得られるもの
分母が違うことをそれぞれ一文で示す。三つの差異は意思決定に関わる軸に置く(見逃しと誤検知のどちらが高くつくか、しきい値を動かすと二つが逆向きに動くこと)。高適合率に見えて実は低再現率の例(疑いの高い十人を拾い、四十人を見逃す)も必要で、一次スクリーニングの後に確定検査がある場合のように、この区別がほとんど問題にならない場面も示す。
よくある誤用
- 比較のプロンプトを意思決定のプロンプトとして使う。境界は教えてくれるが、自分の場面でどちらを選ぶかは教えない
- 提示された三つの軸が自分の判断を変えるか確かめず、きれいだが使えない表だけが残る
こう変えると効く
- 「私の場面 X を軸に、この区別が判断を変えるか示して」と足す。出力が知識から判断材料に変わる
- 「A に見えて実は B」の例を「A と B が同時に成り立つ例」に置き換える。境界が崩れる場所を直接試せる