一冊を薄くする
まず骨格を掴み、どの章を精読するか決める
私は [解決したいこと] のために『[書名]』を読みます。次をお願いします:1)全書の主張を 5 文で説明し、主張同士の依存関係も示す;2)章マップを作り、各章がその筋で何を担うかを一文で;3)中核となる 2〜3 章と、飛ばせる部分を理由付きで示す;4)著者が証明せずに断定している箇所;5)読み終えたときに答えられるべき質問 3 つ。
使い方
章マップを見てから精読する章を決める。頭から通読しても、時間を使うだけになりがち。
向いている場面
- 四百ページの本に二十時間をかけて一つの問題を解決したい。どの章が本当に関係するかを先に確かめたいとき
- 読み終えた本について、骨格を覚えたのか、引用できる一文をいくつか覚えただけなのかを確かめたいとき
向いていない場面
- 本が非常に新しかったり、極端にニッチだったり、社内資料だったりして、モデルが読んでいる見込みが低いとき。章の地図は捏造される
- 小説、詩集、エッセイのとき。価値は言葉と体験そのものにあり、論点に圧縮すると壊れる
例
入力
『ファスト&スロー』、目的は自分のユーザーリサーチの結論が信頼できるかを判断すること。
得られるもの
五つの文が依存の連鎖になること(二つのシステム、ヒューリスティックとバイアス、バイアスが判断を汚す仕方、ピーク・エンドと体験の記憶)。章の地図では第一部と第三部が調査結論の信頼性に直結し、効用の章は後回しでよいと示す。本文が引くプライミング研究の一部が後に再現に失敗した、著者が断言しているだけの箇所も指摘する。最後の三問は自分の調査報告の点検に使えるものであること。
よくある誤用
- 章の地図を読書の代わりにして、会議でこの本を引用する。引用しているのは二手の骨格で、細部を一つ突かれると崩れる
- 先月出た本にもそのまま使い、捏造された章を事実として、どの章を読まないかまで決めてしまう
こう変えると効く
- 「私の目的は X」と明記し、目的に沿って章の優先順位を並べ替えさせる。地図が目次から経路になる
- 「後に覆された、あるいは弱められた結論を指して」と足す。五年前より前の社会科学書に向く