事実・推論・嗜好を分ける
混ざった一段落を 3 つの成分に分ける
以下の文章は事実・推論・嗜好が混ざっています:[テキストを貼付]。文ごとに分けてラベルを付けてください:1)事実——第三者が独立に検証できる;2)推論——事実から導かれるが誤りうる、推論の連鎖を書く;3)嗜好——価値判断や立場で、それ自体に正誤はない。そのうえで:4)事実として使われているが実は推論か嗜好な文はどれか;5)データを 1 つ足せば検証できる推論はどれか;6)事実だけを残し、修飾を削った版を示す。
使い方
自分の報告書に使うとよい。嗜好と判定された文が、たいてい一番薄い部分。
向いている場面
- ある文章を判断の根拠にしようとしているとき(報告書、ニュース、競合分析、自分の週報)。しかもそこでは「私はこう思う」が「データが示す」と書かれている。
- 議事録や提案書を社外に出す前に、社内の推測が事実の記述として書かれていないか確認したいとき。
向いていない場面
- その文章自体が明確な評論・意見記事のとき。全行に「これは嗜好だ」と付けるのは、文体の特徴を欠陥として扱うだけです。
- 大意だけ分かればよく、それに基づいて行動しないとき。分解のコストが利益を上回ります。
例
入力
「新しい価格設定は明らかに妥当だ。公開 2 週間で転換率が 18% 上がったのは、ユーザーがこの価格を受け入れた証拠であり、競合もいずれ追随する。」
得られるもの
「転換率 18% 上昇」は事実(ただし集計定義と期間の注記つき)、「ユーザーが価格を受け入れた」は推論(夏の販促やチャネル変化の可能性もある)、「妥当だ」と「競合も追随する」はそれぞれ嗜好と予測、と印を付けてほしい。さらに、同期間の自然流入とクーポン利用率という 1 つのデータがあれば中心の推論を検証できる、と添えること。
よくある誤用
- 相手がでたらめを言っていると「証明する」ために使うこと。事実まで含めて全部が推論扱いになり、議論は言葉尻の指摘になります。
- ラベルを付けて終わること。「どの文が事実として使われているか」に答えないので、読み手が受け取るのは注釈付きの文章であって判断ではありません。
こう変えると効く
- 「1 文ずつ分解して」を「これが誤っていたら結論全体が倒れる 1 文だけを探して」に変える。全面注釈から、荷重のかかる 1 行に絞られます。
- 「検証に 1 つだけデータを足せるなら何か」を足す。文章分析が次の行動につながります。